3才だか4才だか、とにかく物心ついた頃の話。
うちの実家は表装店をやっていて、父親も叔父さんも
掛け軸とか屏風とか額装とかをしてます。
畳の部屋で正座して掛け軸を黙々と作る叔父さんの横で、
木の切端と釘や和紙で遊んでた子供でした。
そこでよく流れてた音楽(それもどうかと思うけど)
子供の私にはこの音楽がものすごく暗くて怖くて
耳を澄まさずにはいられないものだった。
言葉はよくわからなかったけど、とにかく恐怖のトラウマ。
ふーしぎーなはーしが こーのまーちにーあーるー
わーたったひーとは かーえらーないーーー(赤い橋)
これは怖いでしょう。
そして怖い物には興味がある普通の子供。
それから何年たっても頭を離れない浅川マキの声。
大人になった私は、アングラとか寺山修司とかも知って、
ああ、あれが浅川マキだったのかと認識。
そして二十歳の誕生日に、叔父さんに超お願いして
このアルバムをもらったわけです。(渋々くれた)
時代が変わっても受け継がれる音楽。
今度、子供が来たときに聴かせてみようかなあ。
そしてまた恐怖のトラウマを植え付けて
これちょうだいとか言われたら、私は渋々あげるのかな。
色々考えちゃいました。
浅川マキさんのご冥福をお祈りします。